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お勧めメルマガ 012号
発行日:2015年08月23日(日)15:00
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★┃ Apple
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■ Apple vs Apple
今日はApple社のホームページのキャッチコピーのお話です。Apple社というのは
今をときめくiPhoneやiPadのアップルのことです。長い人生経験をお持ちの方は
Beatlesのレコード会社やそのレーベルの緑色のリンゴを連想されるかもしれ
ません。
ちなみに Beatles のレコード会社アップル(以下英アップル)と、カリフォル
ニアで創業されたアップルコンピュータ(以下米アップル)は、米アップル
創業時から何度も商標権侵害に関する訴訟を繰り返していました。特に
米アップルが iTunes Storeを立ち上げて音楽の世界に本格的に乗り出した時
には大きな訴訟になり、両者の間で合意が成立する2010年まで iTunes Store
で Beatles のアルバムは販売されていませんでした。
ただアップルコンピュータの創業者の一人故 Steve Jobs はBeatlesのファン
だったそうで、両者間の話し合いがついて iTunes での Beatles のアルバム
が販売開始された時には大々的に発表・宣伝していたことを覚えています。
■ Tomorrow is just another day
その発表の前日には、米アップル(以下アップル)のホームページのトップに
“Tomorrow is just another day. That you’ll never forget.” と
いう意味深なメッセージが公開されました。
この “Tomorrow is just another day. That you’ll never forget.”というコピーは
Paul McCartney のソロナンバーである “Another Day” を踏まえたものですが、
このメッセージを見た世界中のAppleウォッチャーやファンは、新しいクラウド
サービスの発表か?とか、映画「風と共に去りぬ」のせりふ “Tomorrow is
another day.” から映画関連の新サービスか?など色々な解釈を述べていました。
このメッセージは、アップルの日本語のホームページでは「明日、いつもと同じ
一日が、忘れられない一日になります」と訳されていました。苦心の翻訳
でしょうが、英語版のような意味深なヒントは訳せてないですね。もちろん
熱心なアップルウォッチャーは日本語版だけではなく英語版もチェックして
いましたが。
■ ホームページのキャッチコピー
上記の例以外にも、アップルのホームページでは言葉遊びを含むようなコピーが
多く日本語版の翻訳は大変かと思われます。以前には「迷」訳と思われることも
よくありましたが、最近はよく工夫してあるな、と感心することもあります。
一つの例として思い出すのが、解像度(Resolution, 画素の密度)の
非常に高い iPad が発売された時のキャッチコピー “Resolutionary.
The new iPad.” です。Resolutionaryという語は実際にはなく、
revolutionary(革命的な、画期的な)とひっかけた造語です。
この時の日本語版は「目に見えて革命的」でした。うーん、「迷」訳の方でしょうか。
現在(2015年8月)のホームページのトップはいくつかの画面がスライドする
形式で、次のようなメッセージが画像と共に表示されます。
先に英語版をご覧下さい。
Apple Watch
The Watch is here.
iPhone 6
The two and only.
MacBook
Light. Years ahead.
iPad Air 2
Change is in the Air.
(アップル米国版ホームページ: http://www.apple.com)
私の解釈・印象を(間違っているかもしれませんが)書きますと、1番目は、
長い間開発が噂されてきた「その(The)」 時計、という感じで定冠詞の
the、大文字の W がきいています。
2番目は iPhone 6 は 4.7インチと5.5インチの2つのディルプレイサイズで
販売されたので、英語の慣用句 one and only (唯一無二の[人/モノ]、
最愛の人)をもじって、two and only としています。
3番目の MacBook はアップルのノートブックの中でも最軽量(920g)であり、
先進的(何年も進んでいる)ということが「何光年も先」とも聞こえるように
している言葉遊びでしょう。
そして最後は、さらに軽く、パワーがあり、安全(セキュリティ)で、
高性能カメラ付きで、高速Wi-Fiで、アプリが豊富で、という「新しい」iPad が
やってくる、ということを in the air というイディオムで表現しています
(もちろん iPad Air の Air と引っかけて)。
これを日本語に訳すのは本当に難しいでしょうね〜。以下が日本語版のコピー
です。皆さんの採点はいかがですか。
Apple Watch その時がやってきた。
iPhone 6 二つとないものを二つのサイズで。
MacBook はるかに軽く。はるかに先へ。
iPad Air 2 世界は一枚で変わる。
(アップル日本語版ホームページ: http://www.apple.com/jp/)
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