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オーストラリアに海外留学したら出会いたい現地の動物

憧れの滞在先として世界中の若者から支持されるオーストラリア。
明るく雄大な国土に生息するユニークでかわいい動物たちも大人気です。
しかし、2019年秋に発生した大規模な森林火災は動物たちにも深刻な影響を及ぼし、一説では10億以上の命が失われたといわれます。
幸い、2020年2月の大雨により火災自体は収束に向かいましたが、生態系は甚大な被害を受け、生き残った動物たちの多くは今も絶滅の危機にあります。
そんなオーストラリアの動物たちについて最新情報を含めてお伝えします。

コアラ

オーストラリア東部から南部の森林地帯やユーカリ林に生息するコアラ。
有袋類の特徴である育児嚢(お腹のポケット)に子どもを入れて育てる姿が何とも愛らしく、オーストラリアといえばコアラを連想する人も多いですが、古くは原住民の食用として、その後は欧米で人気となった毛皮用に乱獲の対象でした。

そのため、1930年代には急激に減少しましたが、長きに渡る地道な保護活動により個体数が回復したところに今回の広範囲な山火事が起きたのです。
一説には5万頭以上いたうちの約半数に減ったとされ、森林が元に戻るまでは水や水分を含んだユーカリの葉が不足するため、脱水症状や栄養不足などが心配されています。
オーストラリアの南にあるカンガルー島は生育状態のよいコアラに遭遇できる場所として観光客にも人気でしたが、今回の火災で生息地の8割が失われ、状況はNASA(米航空宇宙局)の衛星画像で宇宙からでも確認できるほどのひどさです。
島には早くから仮設の動物病院が設置され、救護活動が続けられていますが、重症の火傷により爪を失ったコアラが多く、木登りができないままでは野生に戻すことは不可能と懸念されています。被害の全容が明らかになるにはまだ時間がかかりそうです。

カンガルー

お腹のポケットに入った赤ちゃんと共にぴょんぴょん跳ねる姿がユーモラスなカンガルー。
オーストラリアのシンボルとして国章やコインにもその姿がデザインされています。
体長わずか25㎝ほどの可愛らしいものから160㎝を超える大型種までいて、後者は跳躍によって時速70㎞のスピードで移動できます。

ただし、後退できないため、自動車との衝突事故が絶えません。車への被害は大きく、損傷を最小限にするために「ルー・バー(Roo Bar)」と呼ばれる特殊なバンパーを取り付けている車もあるほど。
田舎の高速道路の路肩にはカンガルーの死体をしばしば見かけます。そのような危険がありながらもカンガルーはずっと増加傾向で、環境や農作物への被害が取りざたされてきました。
対応策として、駆除や狩猟も推進され、「ルー・ミート(Roo meat)」と呼ばれる食用肉も普及しています。
今回の山火事では、焼け出されたカンガルーが自らゴルフ場などに避難してくる姿が健気だと話題になりました。火傷を負って、獣医によって安楽死させられたカンガルーも少なくありません。

エミュー

カンガルーとともにオーストラリアの国章に描かれているため、国を代表する鳥と認識されています。
ダチョウに似ていて飛べず、長い脚で二足歩行します。オーストラリア全域の草原や砂地など拓けた環境に生息しています。
人に対しては極めて穏やかで、危害を加えてくることは稀ですが、金属音や子どもの甲高い声に驚くと慌てて駆けまわったり、犬などの小動物を攻撃したりすることがあります。得意なのは前方への派手なキック。

見た目はかなりコミカルですが、そのパワーは侮れません。丈夫な鳥で、日本をはじめ海外でも食用や観賞用として飼育が進んでいます。
山火事の被害を受け、カンガルーやコアラとともにエミューが山火事から逃げ惑う姿がアニメやイラストとして配信され、世界中の人々から共感を得ました。

タスマニアデビル

肉食の有袋類では世界最大のタスマニアデビル。
1990年代半ばから絶滅危惧種として保護の対象になっています。
「タスマニアの悪魔」を意味する名前から巨大な恐ろしい動物をイメージしがちですが、成体でも全長50‐60㎝程度。
黒や黒褐色の毛に覆われ、小さな顔やクリッとした目が特徴の中型犬のような動物です。
走る姿がユーモラスで、子供の頃は木登りなどお茶目な行動もしますが、肉食だけあって顎の強さ、牙の鋭さは圧倒的。死肉や腐敗した肉など選り好みせずにガツガツ食べます。

さらに、威嚇時の鳴き声や叫び声も独特で、「背筋が凍るよう」と評されることからタスマニアデビルと名付けられたそうです。
夜行性で夜に暗い森の中を活発に動きまわるのもデビルと呼ばれる所以ではないでしょうか。

しかし、自分より大型の動物に対しては臆病で、人間に対して攻撃的になることはめったにありません。派手に威嚇してくるように感じるタスマニアデビルに遭遇したら、それはパニックに陥っている可能性が大きく、過剰に刺激しなければ逃げて行きます。
古くはオーストラリア大陸にも生息していましたが、14世紀終盤に絶滅。タスマニア島のみに現存します。今回の山火事でタスマニア島も大きな被害を受け、餌となっていた動物の多くが炎を逃れて移動してしまいました。
元の環境に戻ることは考えづらく、タスマニアデビルがどう適応していくかが注目されています。NHKの「おかあさんといっしょ」でタスマニアデビルを主人公とした「デビル・ビビる・ガンバる!」という曲が歌われたり、東京の多摩動物園には本物がいたり、実は日本人にとっては身近なオーストラリアの動物です。

まとめ

2019年秋にオーストラリアで発生した前代未聞の規模の山火事は、野生動物に甚大な被害を及ぼしました。
コアラやタスマニアデビルなど絶滅危惧種は極端にその数を減らし、保護を含めた対応はまだ始まったばかりです。
しかし、オーストラリア固有の動物たちは長い年月を生き抜いてきた強い種。
豊かな自然を取り戻し、動物たちを故郷へ帰そうという国民の意識も高まっています。
それに賛同して、世界中の若者たちが手助けをするために現地に集まろうとしていた矢先、新型コロナウィルスの感染が拡大してしまいました。人々の想いや支援が一刻も早く動物たちに届くよう願ってやみません。

その場に行かないと、学べないことがある。

LET'Sの世界へ踏み出そう。

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